トップ > イベント案内 > イベント記録
熊野大学 過去のイベント記録
2022熊野大学夏期特別セミナー
「没後30年の中上健次」
 
 

今年は、中上健次が46歳という若さで他界してから30年を経過します。
中上が生涯こだわり小説に描き続けた生まれ故郷、熊野・新宮の地にて設立した文化組織「熊野大学」は、「建物も入学試験もない、卒業は死ぬ時」をモットーとし、1990年の設立時から毎年全国から多彩な文化人たちを招いて数多の言葉を発信し続けてきました。

語りかける相手は新宮市民であり、遠方から集まった熱心な聴講生でした。
設立のわずか2年後、中上自身が残念ながら最初の卒業生となってしまいましたが、志を受け継いだ人々によって活動は続いてきました。

中上を直接知るゲスト講師、リアルタイムでその文学を読み論じてきたゲスト講師が、この夏、「丹鶴ホール」からメッセージを発信します。
今回の会場となる「丹鶴ホール」は、東に新宮城跡、西に速玉大社、北に熊野川をのぞむ位置に、昨年10月、開館したばかりの文化複合施設です。
4階に新宮市立図書館が移設され、その一角に「中上健次コーナー」が開設されました。
この機会に併せてご覧頂ければと思います。

【日程】  2022年 8月5日(金) ~ 8月6日(土)
【会場】  新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」文化ホール

◆ 1日目(8月5日)
・講演「30年経って問いたいこと」 中上紀
・公演「文芸漫談」  奥泉光×いとうせいこう
・インタビュー「夢の回廊―中上健次を語る」 紀和鏡  聞き手・高澤秀次

◆ 2日目(8月6日)
・対談「佐藤春夫から中上健次へ-日本近代文学の百年-」高澤秀次×辻本雄一
・講演「中上健次の『文』」 松浦寿輝
・対談 松浦寿輝×高澤秀次

▲ページトップへ戻る

新宮市立図書館 中上健次コーナー開設記念 熊野大学主催公開講座
「佐藤春夫から中上健次へ―日本近代文学の百年」
「佐藤春夫から中上健次へ―日本近代文学の百年」
2021年10月3日、新宮市の文化交流の拠点、新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」が開館しました。
新宮市立図書館は同施設4階に移転し、図書館の3階に設置されていた中上健次資料収集室は、新図書館の一画に、中上健次コーナーとして開設されました。
この開設を記念して熊野大学では11月6日、公開講座を開催いたします。
新宮が生んだ二人の文豪、佐藤春夫と中上健次について語り合います。
入場は無料ですが、入場整理券が必要です。

出演: 高澤秀次(文芸評論家)、辻本雄一(佐藤春夫記念館館長)、中上紀(作家)
日時: 2021年11月6日(土)15:00~16:30
会場: 新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」2階 大小会議室
     (和歌山県新宮市下本町二丁目2番地の1)
定員:30名 
主催:熊野大学  協力:中上健次顕彰委員会

この講座はYouTubeで視聴できます。

▲ページトップへ戻る

2019夏期特別セミナー
「オン・ザ・ボーダー ―中上健次のいた時代―」
 
 
超大型の台風10号が8月15日に強い勢力で西日本に上陸する見込みのため、 参加者、講師、スタッフ等の安全を考慮し、セ ミナー、特別公開講座の開催を全て中止とさせて頂きました。

《熊野地方という地方はあるけど、熊野というものは言葉がない限り存在しない。だから、言葉を見つけよう。その言葉というのは、おそらく、アイルランドにも共通のものだろうし、アメリカにも共通のものだし、韓国にも共通のものだろうと僕は思うんです。》          
                 (中上健次・インタビュー「夏芙蓉と金色の鳥」(『中上健次発言集成 5』))

 熊野と世界との、めまぐるしい往還を繰り返し、熊野とは何かを問い続けた中上健次。その活動は幅広く、小説を主舞台としつつ、映画、音楽、演劇、漫画、俳句など、多くの表現に及んだ。中上健次にとって〝ボーダー〟とは、何かを分割する線ではなく、移動さえもする〝ゾーン〟だった。震えながら立ち、戯れるべき、無限の幅を持った空間だった。

 本年の熊野大学セミナーでは、中上健次が「金属神に仕える現代のシャーマン」と高く評価し、刺激的な対話を重ねた音楽家・坂本龍一氏をメインゲストに迎え、多彩な講師陣が、ボーダーを生きた小説家の足跡をふり返る。

◆ 1日目(8月15日) 新宮市役所別館会議室にて
・対談 いとうせいこう×奥泉光<文芸漫談>
・対談 坂本龍一×浅田彰<中上健次のいた時代>

◆ 2日目(8月16日) 高田グリーンランドにて
・講座 島田雅彦×谷崎由依×中上紀 <路地から世界へ(仮)>
・講座 高澤秀次×浅田彰 ほか <中上健次―輪舞する音と映像>
・講座 坂本龍一×いとうせいこう ほか

▲ページトップへ戻る

2018熊野大学夏期セミナー
「中上健次 1968/1978 ―新宿という「大学」そして部落青年文化会―」
 
 

1968年、新宿が最も熱かった時代。
中上健次は当時の思想文化を、ジャズ喫茶を介して全身で浴びながら、仲間たちと反戦運動等に関わると同時に、同人誌にてアマチュア最後の研鑽を積んでいた。 そして1978年、出自である「路地」と本格的に向き合い始める。
新宮市春日で地元の朋輩たちと、熊野大学の前身「部落青年文化会」を組織し、8回にわたる連続公開講座を開催した。
あれから50年/40年という節目の年に、1968年の新宿と1978年の新宮の双方を、あらためて見つめ、考える。

◆ 1日目(8月18日) 新宮市内~高田グリーンランドにてにて
・高田グリーンランドに移動 ~ 開校式~セミナー説明
・講演 宮沢章夫 <アイラーにきけと中上健次は言った。>
・講演 絓秀実  <小説言語の誕生―第二次ブントと中上健次>
・座談 絓秀実、高澤秀次、やなぎみわ
・大宴会

◆ 2日目(8月19日) 高田グリーンランドにて
・講座 高澤秀次<路地再開発と『部落青年文化会』の活動、そして現在>
・講座 山本崇記<1968→2018への架橋ー部落青年・開発(同和対策)・再路地化に向き合う実践>
・セミナー終了(12:00頃)/バスにて新宮駅へ/または各自解散

▲ページトップへ戻る

2017熊野大学夏期セミナー
「南方熊楠と中上健次を探る」
 
 

熊野のとば口田辺に、巨きな男あり  その男、博覧強記にして、奔放なる想像力を持ち、民俗と微細なるもの、洋の東西を問わず、森羅万象を解かんとして、日夜明け暮れたり  今に残れるポートレート眺むれば、フランスの「地獄の季節」の天才詩人ランボーその人なり、と驚愕せり  さもありなん  見よ、聞け、言葉の森に響くオペラ  檳榔樹と照葉樹の国くにの劇  南方熊楠は、閉塞の今こそ紐解かなければならない、知のエンサイクロペディアなのだ。          中上健次
 (「第一次南方熊楠計画」『第一次南方熊楠計画コンティンジェント・メッセージ群』)

◆ 1日目(8月5日) 新宮市内~高田グリーンランドにてにて
・高田グリーンランドに移動 ~ 開校式~セミナー説明
・講座 安藤礼二 「熊野・粘菌・曼陀羅」
・講座 町田康 「映画『熊楠 KUMAGUSU』のこと」
・対談 町田康×安藤礼二
・大宴会

◆ 2日目(8月6日) 高田グリーンランドにて
・対談 中上紀×渡邊英理 「『アメリカ・アメリカ』と中上健次」
・講座 松居竜五 「南方熊楠研究の現在」
・座談 「南方熊楠と中上健次」  安藤礼二、辻本雄一、中上紀、 松居竜五ほか
・軽食/セミナー終了(12:00頃)/バスにて新宮駅へ/または各自解散

▲ページトップへ戻る

2016熊野大学夏期特別セミナー
「中上健次生後70年 次世代へ」
 
 

木下健次が8月の熊野で産声をあげた1946年からちょうど70年。
作家・中上健次としてのデビュー(1965年「十八歳」)を経て、
「岬」で戦後初の芥川賞を受賞した1976年1月から、まる40年。
92前に他界するまで、日本の現代文学を牽引し続け、
そして「最後の近代文学の作家」とまで呼ばれるに至った彼の足跡と、
いまなお文学はじめさまざまなジャンルに影響を与え続けている現在を、
中上が生まれて70年目の熊野で目撃せよ!

◆ 1日目(8月5日) 新宮市内にて
貸切バスにて中上健次墓参。
開校式(新宮ジストシネマ)
プレトーク 「中上健次と溺れるナイフ」 山戸結希・井土紀州ほか
特別先行上映 映画「溺れるナイフ」
 (企画・制作幹事・配給 GAGA 11/5(土)全国ロードショー)
公開講座 「憂国呆談 LIVE」 田中康夫+浅田彰;コメンテーター=中森明夫
場所:高田グリーンランド

◆ 2日目(8月6日) 高田グリーンランドにて
<午前>
 「中上健次と溺れるナイフ」 山戸結希・井土紀州ほか
 「『日輪の翼』をめぐって」 渡部直己・浅田彰・中森明夫
<午後>
特別講座  斎藤環
特別対談 「中上健次と津島佑子」 柄谷行人・高澤秀次 
懇親会
やなぎみわ演出野外劇「日輪の翼」観劇

◆ 3日目(8月7日) 高田グリーンランドにて
<午前>
世界文学の中で考える「女性文学者が読む中上健次」
 バーバラ・ハートリー、渡邊英理、石川真知子
昼食/セミナー終了/バスにて新宮駅へ/または各自解散

▲ページトップへ戻る

2015熊野大学夏期特別セミナー
「戦後70年 ― 中上健次 平和と戦争 ―」
今年は第二次世界大戦での敗戦から70年目に当たる。戦時中の悲惨な記憶を抱え た人々がだんだん少なくなってきている現在、世界は不穏な動きを見せはじめ、 日本では、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故からの復旧・復興の見通しも立たないまま、政権は強引に法律の制定を行おうとしている。
戦後生まれで初の芥川賞作家と称された中上健次が設立した熊野大学は、今年、 「戦後70年 ― 中上健次 平和と戦争 ―」と題し、我々は何をすべきか、どう声を上げるべきか、文学の立場からのみならず、いろんな側面から、戦前戦後の熊 野はどうであったのかをふまえつつ、世界平和を実現する手がかりを討論したい。
熊野でしか話せないこと、二泊三日でしか語り合えないことがここにある。

8月7日(金)高田グリーンランド
中上健次墓参
・対談・いとうせいこう×奥泉光「『十九歳の地図』を読み解く(タイトル未定)」
・講座・モブ・ノリオ 
 「核汚染放置戦争準備エンタメ洗脳国家・日本の現状と、己自身を熊野の地から見つめなおす」

8月8日(土)高田グリーンランド
講座・中田重顕「戦後70年の折節。『熊野びとの戦争』」
(朗読・阪本浩子氏(元有線放送アナウンサー))
対談・中上紀×谷崎由依
対談・高澤秀次×大澤真幸
座談・高澤秀次×大澤真幸×中上紀×谷崎由依
大宴会
二次会・裏セミナー(講師・聴講生共に自由参加)

8月9日(日)
くまくま会の時間(若手中上健次研究者の研究発表)
  「活動報告とこれからの中上建次研究について」 鈴木華織(法政大学臨時職員)
  「後期作品論への補助線」 今井亮一(東京大学大学院 人文社会系研究科 博士課程)
  「中上健次と『食』」 松本 海(早稲田大学文学研究科 博士後期課程一年)
  「中上健次『枯木灘』―秋幸の存在不安」 佐藤綾佳(中京大学大学院文学研究科博士後期課程)
講座・市川真人「中上健次作品の聖地巡礼」

▲ページトップへ戻る

佐藤春夫没後50年記念事業・2014熊野大学夏期特別セミナー
「文学と女性性 ~佐藤春夫と中上健次をめぐって~」
8月8日(金)新宮市市民会館・大ホール
中上健次墓参
映画「野ゆき山ゆき海ベゆき」上映 (新宮市民会館にて一般公開)
   原作=佐藤春夫「わんぱく時代」 監督=大林宣彦
講 演(一般公開講座):大林宣彦 「熊野と春夫と私」

8月9日(土)高田グリーンランド
講座 和賀正樹
講座 辻本雄一
対談 村田沙耶香×藤野可織
講座 松浦理英子
講座 斎藤環
座談 松浦理英子・斎藤環・藤野可織・村田沙耶香・中上紀
野外バーベキュー会場にて大宴会
同会場にて特別イベント「ライブ・ペインティング」黒田征太郎・中村達也 
二次会・裏セミナー(講師・聴講生共に自由参加)市川真人・中上紀 ほか

8月10日(日)
熊野の文化人によるお話
「熊野・山里の暮らしと方言 その豊穣」 城和生
「世界遺産熊野の魅力」 速水盛康
「大逆事件と南紀新しき村・黎明ヶ丘」 中田重顕

※ 大雨による紀勢線全線不通のため、黒田征太郎氏、斎藤環氏のご参加は見合わされました。

▲ページトップへ戻る

熊野大学夏期セミナー2013 ―中上健次、半島、宿命―
8月2日(金)新宮市市民会館・大ホール
中上健次墓参
講演 「パッチギ!トーク 私の中の中上健次」 井筒和幸
  聞き手=佐藤康智

8月3日(土)高田グリーンランド
講演 「聖地 ハンセン病 禁忌」 和賀正樹
鼎談 「食べるエネルギー祈るエネルギー」 韓江(ハン・ガン)×中沢けい×中上紀
      講演 「中上健次の韓国」 川村湊
座談 「在日『日本語文学』と中上健次」 川村湊×高澤秀次
熊野大学夏期セミナー名物・深夜裏セミナー/村田沙耶香・市川真人

8月4日(日)
他所から熊野へ移住された方々のミニ講座 「『よそもの』は『熊野』をこう語りたい…地元もまた」 
 ・「黒潮に惹かれて」  桐村英一郎(著述業 元朝日新聞経済部長)
 ・熊野大学東京組のアピール 
 ・「考える 工夫する 稼がない…共育学舎がめざすもの」  三枝孝之(NPO法人共育学舎代表)
 ・「存亡ぎりぎり・千年つづく山里」  外山(春原)麻子
 ・「新宮よもやま話」  大川治(大川鍛冶)

▲ページトップへ戻る


中上健次没後 20年 ’12熊野大学夏期特別セミナー「ケンジアカデミア」
8月3日(金)
中上健次墓参
講座① 文芸漫談 奥泉光×いとうせいこう
講座② ライブペインティング  黒田征太郎
      朗読 中上紀
      BGM「新宮中上的音宇宙」(構成:中上紀 制作:嶋田智)

8月4日(土)高田グリーンランド
講座③ 「世界は中上健次をどう読んでいるか」
      バーバラ・ハートリー×高澤秀次×和賀正樹
講座④ 「writers on the border」「映画、熊野、中上健次」上映
講座⑤ 「映画『千年の愉楽』を巡って」若松孝二×浅田彰×いとうせいこう×高良健吾
     <浅田彰さんが「Realkyoto」にこの時のご発言をまとめてリライトされています>
講座⑥ 講演 柄谷行人 
講座⑦ 対談 浅田彰×柄谷行人
講座⑧  「中上健次の思い出」紀和鏡(中上かすみ) 
講座⑨  「没後20年」
      柄谷行人、浅田彰、渡部直己、高澤秀次、いとうせいこう、奥泉光、市川真人、中上紀
分科会(二次会) 
      市川真人(批評家)、岡田亨(TVディレクター)、勝浦雄人(作家)、佐藤康智(批評家)、
      澤西祐典(作家)、墨谷渉(作家)、棚部秀行(新聞記者)、福永信(作家)、
      待田晋哉(新聞記者)、松浪太郎(作家)、飛弾五郎(社会活動家)

8月5日(日)
講座⑩  「俳句と中上健次」宇多喜代子×中上紀 進行:杉浦圭祐
追悼野球大会は雨のため中止

▲ページトップへ戻る


追想 原田芳雄さん新宮映画会
2012年2月5日(日)
上映作品:「大鹿村騒動記」
       「熊野、映画、中上健次を語る~原田芳雄」
舞台挨拶:石橋蓮司、岸部一徳、佐藤浩市、原田喧太
「原田芳雄さん写真展」写真・山川雅生
熊野しんぐうフィルムコミッション(構成団体:新宮市 新宮商工会議所 新宮市観光協会)との共催
会場:新宮市民会館大ホール

▲ページトップへ戻る


2011年 熊野大学夏期特別セミナー「中上健次と大逆事件100年」
2011年のテーマは「大逆事件」。
この多大なる冤罪により社会主義者の幸徳秋水らが処刑されてから100年が経ちました。
特に熊野からは、大石誠之助、高木顕明など多くの罪もない人々が検挙され、 処刑や獄死の道を辿りました。
中上健次は、この大逆事件をどう捉えたのか。
今を生きる我々に、どんな言葉を、行動を求めるだろうか。

8月5日(金)
中上健次墓参
講演「熊野百年に思うこと」 中上紀
特別講演「中上健次の人間愛」 佐木隆三
対談 佐木隆三×中上紀

8月6日(土)
「中上健次と大逆事件100年」(高田グリーンランド)
講演・基調報告
高澤秀次(文芸批評家)・辻本雄一(大逆事件の犠牲者を顕彰する会 佐藤春夫記念館館長)ほか
シンポジウム  パネラー:高澤秀次・辻本雄一・中上紀ほか

8月5日(日)
熊野川下りツアー(自由参加)

▲ページトップへ戻る

                             
2010年度熊野大学夏期特別セミナー「特集・熊野、中上健次、そして映画」

2009年にスタートした第III期では、文学・映画・音楽など、年ごとにテーマを設定し、
中上健次の遺した仕事と同時代的な文化との接合・発展を試みました。
2010年のテーマは「熊野と映画」。
現代日本を代表する映画監督・青山真治が選んだ中上健次原作のフィルム2本と、
熊野を舞台とした未完成作品のパイロット版を今回特別に許可を得て一気に上映。

8月6日(金)
中上健次墓参
特別講演「強烈な存在感~中上健次の思い出」 瀬戸内寂聴 (新宮市民会館大ホール)

8月7日(土)
映画上映(新宮市民会館大ホール)
「赫い髪の女」(79年・監督/神代辰巳・脚本/荒井晴彦)
「火まつり」(85年・監督/柳町光男・脚本/中上健次)
覆面上映
シンポジウム「熊野、中上健次、そして映画」
パネラー:上野昂志、荒井晴彦、井土紀州、青山真治

8月8日(日)
熊野文学散歩(自由参加)
(佐藤春夫記念館、西村伊作記念館、中上健次資料室他、新宮市の文学ゆかりの場所)

▲ページトップへ戻る

         
2009度熊野大学夏期特別セミナー「21世紀、熊野から文学」
日本現代文学を代表する作家、故・中上健次が生前に企画、設立した「熊野大学」。
没後は、地元の同志や親族、作家・批評家仲間などがその遺志を継ぎ、
17年間にわたって毎夏にセミナーが行われてきました。
そして2009年から、中上健次の没後に活動を始めた世代があとを継ぎ、
21世紀の文化をともにつくってゆく第III期がはじまりました。

8月7日(金)
中上健次墓参
講演「アニとしての中上健次」 重松清
レクチャー「中上健次の『ひと』と文学」重松清×中上紀(新宮市職業訓練センター)

8月8日(土)
講座 「人間 中上健次No.1(上京まで)」
        大江真理(熊野書房)、松本巌(熊野大学理事長)、西嶋潮香 聞き手:中上紀
講座「中上健次の被差別部落認識と新宮の部落史」守安敏司(水平社博物館館長)
討議:島田雅彦、中村文則、円城塔、中上紀、前田塁
 「21世紀の日本で小説はほんとうに可能か 1」
 「21世紀の日本で小説はほんとうに可能か 2」
テーマ別講義・討議(自由参加)

8月8日(日)
基本的に自由参加。野球大会、観光案内

▲ページトップへ戻る

                     
2008度熊野大学夏期セミナー
8月8日(金)
高田グリーンランドで渡部直己の講演「中上健次と上田秋成」と高澤秀次との対談。

8月9日(土)
午前「今を生きるということ」はモブ・ノリオほか。
午後からシンポジウム
タイトル「中上健次の世界2008」
基調講演: 「大江健三郎から中上健次へ」小林敏明
講師: 浅田彰/東浩紀/柄谷行人/小林敏明/高澤秀次

▲ページトップへ戻る

         
2007度熊野大学夏期セミナー
8月3日(金)
高田グリーンランドで青山真治・柄谷行人・渡部直己・高澤秀次によるシンポジウム
第一部「中上健次『現代小説の方法』をめぐって」。

8月4日(土)
午前、旧「文芸首都」同人の勝目梓・唐沢るみ子による対談ほか、聴講生シンポジウム「今を生きるということ」を、「隈ノ曾」結成20周年記念イベントとして行う。

午後から第二部シンポジウム
テーマ「中上健次と20世紀の芸術」
基調講演:「熊野/ミシシッピ」 管啓次郎
講師:岡崎乾二郎/柄谷行人/管啓次郎/高澤秀次

新宮市立図書館内の中上健次資料室では、発見された「半蔵の鳥」「六道の辻」「天人五衰」(『千年の愉楽』)の生原稿が公開され、聴講者に一部そのコピーが配布された。

▲ページトップへ戻る

   
2006度熊野大学夏期セミナー
8月4日
地域職業訓練センターで「中上健次生誕60年周年記念イベント」として北辰旅団による寸劇「遊びやせんとぞ生まれけん」。

いとうせいこう・奥泉光による「《文芸漫談》熊野ライブⅢ(「十八歳」を読む)」。
中上紀講演「父・中上健次と私」。新作「蓮池」朗読(「注記―路地の飛翔 私の蓮池」とともに『表現者』07年3月号掲載)朗読と同時ライブ・ベインテイング:中上紀+黒田征太郎。

8月5日
午前、高田グリーンランドで聴講者シンポジワム「今を生きるということ」
午後、シンポジウム
テーマ:坂口安吾と中上健次
基調講演:ふるさとについて。中上健次『鳳仙花』と坂口安吾(小野正嗣)
講師:浅田彰/小野正嗣/柄谷行人/関井光男/高澤秀次
(『國文学―解釈と教材の研究―』同年12月号に掲載)

▲ページトップへ戻る


2005度熊野大学夏期セミナー
8月5日
高田グリーンランドで、いとうせいこう・奥泉光による「《文芸漫談》熊野ライブⅡ」に続き、大塚英志の基調講演「中上健次劇画原作『南回帰船』をめぐって」。

8月6日
午前、聴講生シンポジウム「今を生きるということ」
午後、『南回帰船』について青山真治/前田塁/渡部直己による鼎談に続きシンポジウム
テーマ:革命と反復
講師:浅田彰/柄谷行人/高澤秀次

▲ページトップへ戻る


2004度熊野大学夏期セミナー
8月5日
速玉大社双鶴殿で黒田杏子の講演の後、茨木和生・宇多喜代子を選者に、「中上健次13回忌追悼 吟行句会―8月の熊野俳句夜学」を新宮市内で行う。
新宮市立図書館では、1990年6月3日の速玉大社双鶴殿での野坂昭如、茨木和生、宇多喜代子、夏石番矢らとの連句、同じく同年5月12日、大阪「ナンジヤン」での連句などを展示。「あきゆきが聴く幻の声夏ふよう」(健次)の1句があった。

8月6日
南谷霊園で13回忌法要に続き、地域職業訓練センターで、いとうせいこう・奥泉光による「《文芸漫談》熊野ライブⅠ」(『早稲田文学』同年11月号掲載)。津島佑子の講演「中上健次がいた」(『すばる』同年10月号掲載)。

8月7日
午前、高田グリーンランドで中上菜穂の「陶芸ワークショップ」。
午後シンポジウム
テーマ:「中上健次と近代文学の終り」
基調講演:中上健次と谷崎潤一郎(マルゲリータ・ロング)
講師:浅田彰/柄谷行人/津島佑子/マルゲリータ・ロング/渡部直己/高澤秀次
(『早稲田文学』同年11月号掲載)

▲ページトップへ戻る


2003度熊野大学夏期セミナー
8月1日、2日

高田グリーンランドで基調講演とシンポジウム
テーマ:フォークナーと中上健次
基調講演:熊野サーガの「語り」について(マッツ・カールソン)
講師:浅田彰/いとうせいこう/柄谷行人/野谷文昭/マッツ・カールソン/高澤秀次
(『早稲田文学』同年11月号掲載)
なお、8月1日夜には基調講演のほか、アイオワ大学のインターナショナル・ライターズ・プログラムに客員研究員として招かれた中上紀によるアイオワ・リポート」があった。

▲ページトップへ戻る


2002度熊野大学夏期セミナー
8月2日、3日
高田グリーンランドで基調講演とシンポジウム
タイトル:没後十年の中上健次

基調講演:『紀州 木の国・根の国物語』を読む―「伊勢」の章をめぐって(山本ひろ子)
講師:浅田彰/柄谷行人/山本ひろ子/渡部直己/高澤秀次
(『早稲田文学』同年11月号掲載)

▲ページトップへ戻る


2001度熊野大学夏期セミナー
8月3日
高田グリーンランドで、『奇蹟』連載(『朝日ジャーナル』)時に写真を担当した北島敬3作品のスライド・フィルム上映。
四方田犬彦・高澤秀次を交えての座談。
いとうせいこう、ジャック・レヴィ、中上紀による『奇蹟』の朗読(一部、仏訳)。

8月4日
シンポジウム
タイトル・テーマ:2001年の中上健次―『千年の愉楽』から『奇蹟』へ
講師:いとうせいこう/ジャック・レヴィ/野谷文昭(基調講演)/四方田犬彦/渡部直己/高澤秀次
(『早稲田文学』同年11月号掲載)

▲ページトップへ戻る


2000度熊野大学夏期セミナー
8月2日
青山真治監督ドキュメンタリー作品『路地へ 中上健次の残したフィルム』(製作・スローラーナー)の試写上映を新宮市高田小学校で行う。

8月3日
高田グリーンランドでシンポジウム
タイトル・テーマ:2000年の中上健次―秋幸3部作を読み直す
講師:青山真治(基調講演)/浅田彰/鎌田哲哉/すが秀実/星野智幸(基調講演)/高澤秀次
(『早稲田文学』同年11月号掲載)

▲ページトップへ戻る


1999度熊野大学夏期セミナー
8月3日
高田グリーンランドでシンポジウム
タイトル・中上健次の世界99
講師:浅田彰/いとうせいこう/奥泉光/鎌田哲哉(基調講演)/柄谷行人/小森陽一/高澤秀次/渡部直己
(『情況』01年5月号の特集「中上健次とアジア的身体論(梁石日)に、「『カンナカムイの翼』についてのノート」として、鎌田哲哉の発言の要旨を抄録)

前日には、地域職業訓練センターで原田芳雄のコンサートと、いとうせいこう・奥泉光による『千年の愉楽』の一節をラップ調で朗読するパフォーマンスを行う。

▲ページトップへ戻る


1998度熊野大学夏期セミナー
8月1日
7回忌に当たり新宮地域職業訓練センターで法要と「偲ぶ会」。
8月2日
同福祉センターで「俳句の部」シンポジウム
講師:茨木和生/宇多喜代子/久保純夫/夏石番矢

第二部シンポジウム
タイトル・テーマ:中上健次の軌跡―『異族』を中心に
講師:いとうせいこう/柄谷行人/小森陽一(基調講演)/渡部直己

同日夜の新宮市民会館での「芸能・パフォーマンス」には、都はるみ/原田芳雄/麿赤児/吉増剛造/安宇植/中村一好/四方田犬彦(総合司会)が出演・参加。
人権教育センターでは、中上健次写真&美術展を開催。

▲ページトップへ戻る


1997度熊野大学夏期セミナー
8月3日
那智勝浦町のホテル浦島で四方田犬彦の講演と高澤秀次との対談。

8月4日
同所でシンポジウム
タイトル・テーマ・中上健次の世界97―天皇をめぐるエクリチュール
講師:/いとうせいこう/奥泉光/高澤秀次/四方田犬彦/渡部直己(基調講演)
同日、松本薫ら4人の聴講者による中上健次論の発表あり。

▲ページトップへ戻る


1996度熊野大学夏期セミナー
8月2日
福祉センターで四方田犬彦・高澤秀次が中上健次生誕50年の記念講演を行う。
同日、高田グリーンランドで、辻本雄一(熊野大学)による基調講演「大逆事件と中上健次」。

8月3日
同所でシンポジウム
タイトル・テーマ・・中上健次の世界96―果てなきテクストをめぐって
講師:浅田彰/いとうせいこう/奥泉光/柄谷行人/島田雅彦(基調講演)/すが秀実/高澤秀次/松浦理英子(基調講演)/四方田犬彦/ジャック・レヴィ/渡部直己
(『すばる』同年12月号掲載)

期間中、新宮市人権教育センター(旧・春日隣保館)では、遺品、年譜パネル、生原稿などによる中上健次展を開催。

▲ページトップへ戻る


中上健次記念イベント 熊野カフェ (1993(平成5)年)
7月31日(土) 記念コンサート
18:30~熊野本宮大社旧社地(大斎原)
出演 原田芳雄&FLOWER TOP/友川かずきwith石塚俊明・永畑雅人/石橋幸with秦宣子/本宮町てちの会
主催 本宮町・本宮町観光協会
共催 (社)和歌山県観光連盟
後援 熊野大学

8月1日(日) 記念シンポジウム
14:00~新宮市福祉センター
出演 柄谷行人・秀実・渡部直己・四方田犬彦・イヴ・ジマーマン
(『文學界』同年10月号掲載、『中上健次と熊野』に再録)
主催 熊野大学
後援 和歌山県・新宮市・新宮市教育委員会・本宮町・本宮町観光協会・新宮商工会議所青年部

1990年6月、和歌山県新宮市に発足した市民大学「熊野大学」は、「建物もなく、入学試験もなく、卒業は死ぬ時」を合い言葉に、中上健次が地元で組織した3つ目の文化組織であった。

「部落青年文化会」(1978年) に始まり、「限ノ會」(1987年)を経て「熊野大学」へと至る一連の組織は、熊野とは何かを問う運動態として成長してきた。「部落青年文化会」で、「開かれた豊かな文学」(『中上健次と熊野』参照、太田出版) と題し連続講座を行った中上は、同時に毎回東京から作家、詩人たちを招いて、新宮市春日の「隣保館」(現・人権教育センター)で講演会を組織している。

佐木隆三、石原慎太郎、吉増剛造、瀬戸内寂聴、森敦、唐十郎、金時鐘、吉本隆明といった多彩なゲストの講演(中上健次資料室所蔵・非売品『聞かれた豊かな文学』参照)の前座に、中上は自らの文学論、物語論を、小さな集会場の畳敷きの広間で訥々と語っていた。

新宮高校の同窓生を中心とする「隈ノ會」を経て、市内丹鶴町に事務所を構えた「熊野大学」の活動はまた異色で、毎月帰省しての定期講座(於:速玉大社双鶴殿)で中上は、山本健吉の『いのちとかたち』をテキストに、熊野学から時に状況論にまで及ぶ縦横な議論を展開した(『中上健次と読む「いのちとかたち」』参照、河出書房新社)。これと並行して行われたのが、地元の俳人・松根久雄を中心に茨木和生、宇多喜代子、後藤綾子、夏石番矢らをゲスト講師に招いての地域に根ざした俳句会である。中上は興に乗って「連句」の座に加わることもあったが、熊野大学の定例句会では、原則として選者に徹し、他のゲストとともに講評にも加わった(中上健次料室所蔵・非売品『牟婁叢書・俳句熊野大学』参照)。

1991年8月には旧本宮大社跡地・大斎原で都はるみ奉納コンサートを、翌92年2月には梅原猛をゲスト講師に、「お燈祭りセミナー」を企画・開催。
ただし中上は、慶応病院に急遽入院のため後者には参加できなかった。

1992年8月、発足後2年目の熊野大学の最初の「卒業生」となった中上死後の熊野大学の活動は、同年11月に開催された追悼映画会「中上健次と映像の世界」(四方田犬彦ほか)で再スタート。
翌年からは全国から聴講者が参集する「夏期特別セミナー」を中心とするものになった。
当人には思いもよらなかったことであろうが、それは亡き中上健次の文学を、誕生日(8月2日)の前後に、彼の故郷で語り顕彰する盛夏のイベントとして定着するに至った。

▲ページトップへ戻る